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3.5 コネクション・ハンドオフ手順

VDLでは、コネクションションの確立手順と同様に、個々の航空機に関してデータリンク層(DL)レベルとサブネットワーク層(SN)レベルとで順次コネクションを移管する手順(明確化)とDL/SN両層同時に移管する手順(急速化)の2種類の通常ハンドオフ方式と、さらに覆域内のすべての航空機に対して地上局が変更したことを通知する一斉同報のハンドオフ方式が規定されている。
以下に、それぞれの手順について示す。

 

3.5.1 明確化コネクション・ハンドオフ手順
この手順は、データリンク・コネクションをハンドオフした後、サブネットワーク・コネクションのハンドオフを行う標準的な方式である。以下に航空機起動ハンドオフの手順例を列記するともに、そのシーケンス・ダイアグラムを図3,5.1に示す。
?地上局1と通信中の航空機局のリンク管理エンティティ(LME)が地上局2に対し、XIDフレームでデータリンク・コネクションのハンドオフを起動する。これは、地上システム側に通知され、承認判定後にその旨を地上局2に通知する。
?これを受け地上局2は、XID応答フレームでデータリンク層レベルのハンドオフを承認する。この時点で、新旧2つのデータリンクが同時に存在することとなる。旧側リンクに関するモード2デフォルト値では、起動側の航空機局は20秒間、応答側の地上局1は60秒間、このリンクを維持し、その後自動的に解放される。
?ハンドオフの承認を認識した航空機局のサブネットワーク層は、データリンク層に対し、発呼要求パケットを転送し、データリンク層はそれを情報(lNFO)フレームで地上局2及び地上システム側に伝送する。
?コネクションのハンドオフを承認する地上システムは、応答として呼確認パケットをINFOフレームで伝送することにより、航空機局がサブネットワーク・コネクションのハンドオフを認識する。地上システムが、コネクション・ハンドオフを承認しない場合には、復旧要求パケットを伝送する。旧リンク側のサブネットワーク・コネクションは、?に記述したようにデータリンクの開放と同時に自動的に解放される。

 

 

 

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